秘密 ~生徒に恋して~
 ⑨ 卒業まで



LINEの登録をし合って初めてのメッセージは、私が家のドアを入ってすぐに届いた。

「今日は本当にごめんなさい!そしてありがとう。俺、今、すっげー幸せだよ。
また熱が出そうなくらい(笑)」


そして次のメッセージは、翌朝、

「やっぱ熱出た。でも先生のせいじゃないからね。学校は休みます。先生に移してないかな…それが心配」

だった。



私もその翌日には、何度となく咳やクシャミを繰り返しながら授業をして、土曜の夜に熱を出して寝込んだ。

熱が出たのは辛いけど、好きな人から移されたことが何だか嬉しいと思ってしまうなんて、私も高校生みたいだな…
なんてバカなことを考えて、自分で笑ってしまった。


土日の間、お互いの病床から何度もLINEをし合ったにも関わらず、結局、悠也は、

「声が聞きたかった」

と電話をかけて来た。

そして、お互いに咳をして声を枯らしながらも、長い間、取り留めもないお喋りをした。

「いつまでもこんなことしてると、熱下がんないよね…」

なんて笑いながら…。

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