兄妹愛‐kayane and kazune‐
友達
あたしとお兄ちゃんは
無言で歩いた。
いつもならあたしがギャーギャー騒いで、
お兄ちゃんが呆れて登校してるけど…
別にあたしは気まずくて話ができない訳じゃない。
会話がなくても平気な性格だから大丈夫。
けど、お兄ちゃんはもしかしたら、
あたしがさっきのことで怒ってるって思ってるかもしれないなー…
「なあ、」
先に話しだしたのは、お兄ちゃんだ。
お兄ちゃんも会話がなくても平気な人だから、別に気まずくて話しだした訳じゃないと思うけど。
「なに?」
「俺…―――」
「…………え?」
胸が急に痛くなった。
えぐられる感じがする。
「あんまり言わせないでくれる?
……まきえと付き合おうと思うんだ」
秋の風がいやに冷たくて、
お兄ちゃんの表情もいやに冷めていて、
直感で思った。
ああこうなったのは
あたしのせいだ、と。