兄妹愛‐kayane and kazune‐
日曜日。
朝起きると、隣にお兄ちゃんはいなかった。
寝ていた場所はじぶんのベットで。
昨日の出来事が嘘みたいだった。
いっそのこと、嘘ならいいのに。
あたしはパジャマのまま、一階のリビングに行った。
日曜日だからお父さんもお母さんも会社は休みだった。
お母さんは買い物に行ったのか、お父さんしかいなかった。
「………おとうさん。」
「茅音!昨日どこ行ってたんだ?」
お父さん、怒ってる。
でも今のあたしは、なぜか感情が曖昧で、他人事のようにしか考えられなかった。
「友達のとこ。ごめんなさい。心配かけて。」
「い、いや、そんな落ち込まなくてもいいんだ。ただこれからはちゃんと連絡入れろよ…?」
あたしがいつもより元気なくて、酷く反省してるように見えたのか、あまり説教されなかった。
「和音なら、彼女のとこに行ったよ。」
あたしがキョロキョロしてたのがわかって、教えてくれた。