桜色トライアングル

親友が壊れた side:昂矢




…俺の親友が、うつろな目をして歩いています。


「お、おーい?海希さーん?」


「…」


おっかしいな、俺の声を無視するなんて海希じゃない!


さっきプール掃除が終わってからおかしいんだよなー。


さくらんもあんなダッシュで帰っちゃうし。


こりゃ絶対になにかあったのはわかるんだけど、海希のこの…この、目!


なんか、やばい目してるんだよ。


「かーいー…」


「なぁ昂矢!」


「うぉわっ、急にでかい声出すなっ」


「それは俺がいつも言ってることだろ」


確かに言われてる…ような。


「で、なんだよ。急に喋ったと思ったら」


「事故でさ、お前…好きな人とキスしたら、どうする?」


「え~?嬉しい」


なにそれ。事故でキスとか漫画じゃないんだから、そうそうそんなことありえるわけがない。

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