頑張らなくて良いんだよ
その時、腕を捕まれた。

そこには、息を切らして走って来たの
だろう、学の姿があった。


「唯、どうしたの?
どうして、泣いてるの?」


だって、それは……、
私は、用済みってことでしょ。


さっき、告白されて、あんなに喜んで
たんだもん、きっと、これから、
別れ話されるんだ。


学は、きっと私のこと、嫌いになったんだ。


私の気持ちを察したかのように、
空から雨が降ってきた。



「唯、言ってくれなきゃ、分かんないよ」


「学のことなんか、嫌い!!」



私は、また、走り出した。


雨の中。

自分の涙なのか、雨なのかも
分からなくなるくらい。


必死に走っていた。

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