love square~四角関係なオトナ達~
「怜玖さんっ!?」


「思い出すのに手こずるほど、どーでも良かった記憶か?」


「お、お久しぶりです…」


「今頃かよ」


そう言って怜玖さんはあたしに回した腕を解き、ソファーに座るよう促してビールをくれた。


「あの頃」


「ハイ…」


「オレ、マジで嫁にする気で草の指輪作ったんだけどな」


「へ…?」


「ヒマリが可愛くて仕方なかった。金魚のフンみたいにどこに行ってもオレについて来るヒマリが愛おしくて、さ。親にも見放されてたオレだったけど、そんな自分になついてくるヒマリを一生守りたい、そう思ってた」


「親、に…?」


「今で言うネグレクト、親父もお袋も育児放棄。親戚中連れ回されては『この子いりませんか』って、まるで犬や猫の子を売るみたいに『飼ってください』だよ。ココ、河野の家が一番感触良かったみたいだけど、ヒマリの母さんが倒れてそれどころじゃなくなって。結局、親が離婚してオレはばあちゃん家。ヒマリとの思い出と約束だけが唯一オレの生きる糧だった」


「怜…いく…兄ちゃん…?」
< 114 / 240 >

この作品をシェア

pagetop