love square~四角関係なオトナ達~
「ここ…」


「そ♪ボクの実家。入ってよ」


「いいの?」


「ぴぃちゃんだから。どうぞ♪」


「おじゃま…します…」


初めて入る春流の実家。


少し埃っぽいけどきれいに片付けられている家は、つい最近まで人が住んでいたような生活感がある。


食器棚も、茶の間のテーブルも、タンスも、ちゃんと静かに春流を待っていた、そんな感じ。


「ごめんね、電気はつかないんだ。月が照らしてくれるまでサンドイッチはお預けねっ。テーブルの前、座ろ?」


「うん…」


明かりのない中、茶の間のテーブルを支えに座る。


どんどん暗くなっていく空間に体が吸い込まれてしまいそうな錯覚に陥るけど、そんなあたしを知ってか、春流は強く手を握ってくれていた。
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