隣の犯罪者?!

04

いやそりゃそうかもしれないけど
でもこんな頭の回転の速い犯罪者なんてきいたことない
「ん~」
「なに?」
「ちょっと期待しないでよ」
「おまえが打開策考えてくれてんのかなって」
打開策って
笑顔がかわいい爬虫類とか
「えーっと」
「おまえなぁいい加減その爬虫類はやめろ無駄に傷つく」
無駄に傷つくんだ一応
「だって皇夜はトカゲみたいだから」
私は皇夜の頬に手を伸ばした
ずっとこのまま一緒にいたい
「ずっとこのままねぇ
俺がおまえを拘束してどこにもいかせないとか?」
だから発想が卑猥なんだってば
「私にも生活があるから会社にはいかせてください」
「それが人にものを頼む態度か?」
爬虫類のくせに生意気
「皇夜さま」
「はあ?」
いや言わせといてはあ?ってなに?
正解があるの?
「はあ?ってなに?」
「爬虫類のくせに生意気って思ったろ」
そっちのはあ?ね
って頬を思いっきり引っ張らないでよ
痛い
「ごめんってば」
「俺は爬虫類じゃねぇ」
「だからごめん」
「おまえ会社は?」
「あっ」
慌てて状態を起こしたせいでバランスを崩した皇夜の上に乗っかってしまう
「どういう趣味だよおまえ
って意外に柔らかいなおまえ」
やっぱりダイエットしとけばよかった
皇夜のバカ
「私いかなきゃ」
「マジで行くんだ」
「うん」
「今日は土曜日だぜ?」
「ウソ」
確かに今日は土曜日
「さあどうする?」
「とりあえず家に帰って着替える」
「それだけ?」
皇夜が不満げなこえをあげると電話が鳴った
「もしもし骸木です」
「葵さん」
「皇夜は大丈夫でしたか?」
「うん」
「なら良かった
ところで今日はお時間ありますか?
観たい映画があるんですがなにぶん1人なもので」
ちらりと皇夜を見る
「いきます」
通話を終えると皇夜が訊いてくる
「行くって?」
「友達と映画」
皇夜すねてる?
皇夜はタバコを吸いながらベッドに寝転がった
だから寝タバコは火事の元だってば
「私、そろそろ行くね」
拗ねてる皇夜もかわいいけど私は玄関に行った
ベッドの方から声がする
「おまえさぁあんまり他の奴に尻尾ふってたら縛りつけて服従させてやるからな?」
「あっそれは困るかも」
いつの間にか皇夜が目の前にいてキスをされるのかと思えば首筋を甘噛みされた
「おまえは俺の物つーか俺以外の物になるな」
皇夜は視線を外しながら言う
これは告白?
「えっと」
こういうときどういえばいいのかな
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