隣の犯罪者?!
カミングアウト?
なんの話しだろ
私は喋りながら着替えて玄関に向かった
「葵さんカミングアウトって?」
「別にたいしたことじゃない」
私は玄関のドアノブに手をかけた
瞬間、後ろから抱きしめられた
ちょっとビショビショで抱きついてこないでよ皇夜
「どこ行くんだよ?」
「皇夜ビショビショ」
まるでイタズラを思いついたかのように服の隙間から指を這わせてくる
「んっ···皇夜くすぐったい」
「葵とまだ話してるんだよな?」
「皇夜···やっ」
「美咲?大丈夫?」
葵さんの焦った声
実際、焦ってるのは私だし
皇夜はぱっと離れると私を見下したように言う
「服ずぶ濡れだなぁ
行けよ行けるなら葵のとこ」
皇夜、怒ってる?
私が携帯を拾うより早く蹴飛ばす
「酷いよ皇夜」
皇夜は何を思ったのか私をお風呂場に引きずり込む
皇夜はいつの間にか着替えていて風呂釜の縁にタバコをくゆらせて座っている
私はずぶ濡れのままシャワーの真下
「葵となに話してた?」
「なにも話してないよ」
「俺に演技は通用しねぇよ
つーか少し頭冷やしてな」
「皇夜」
私は立ち去ろうとした皇夜の足を掴む
バランスを崩した皇夜の上にも降りかかるシャワー
「ってぇ」
「最低だよ私はただ見送りに行きたいだけなの
皇夜?」
ちょっと皇夜?
私が足を掴んだせいで派手に転んだとはいえその反応はあんまりじゃない?
気づいたのはベッドの上
ったく体中痛い
いつものうるさい奴もいない
つーかここ俺の部屋か?
夢?
「あなたは物なのわかったでしょ」
わかったから叩かないでほしい
俺はあんたの物であり続けるから
体中の傷を見る度にげんなりする
本当にバカだな俺
「皇夜」
記憶の中に微かにある母親の優しかった面影
普段から優しい人じゃなかった
俺が言いつけを守ってさえすれば優しかった
つーか起きなきゃな
隣からなんか重みを感じて条件反射で抱きしめた
なんかフカフカしてる?
「皇夜?気づいた?」
「美咲?」
「ごめん痛かったよね」
「平気」
皇夜が笑ってる?
「変な皇夜」
「ん?って葵は?」
「皇夜のせいで電話きれちゃったんだからね」
願ったり叶ったりな答え
美咲は隣で微睡んでいて俺も抱きしめ返してキスをした
「んっ」
「美咲」
ぎゅっと抱きしめられて耳元で囁かれる
「美咲ずっと俺の傍にいろつーかいさせてやる」
いさせてやるって
皇夜らしいな
私は笑って頷いた
「私でよかったら」
~fin~
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