溺れる恋は藁をも掴む
 「心が寂しい時に、話を聞いて貰えば、気持ちは楽になるよね……

 『大丈夫』って言って欲しかったり、味方になって欲しかったり……

 じゃあ、身体も寂しくなった時、肌に触れて、抱きしめ合えたら、温かい温度も分かち合えるわ。

 一時的でも癒される……

 その形がセックスなだけ!

 愛とか恋とかで結ばれなくても、そういう時に、助け合える同士が居てもいいじゃん……

 見返りを求めるから辛くなるんだよ!

 『助けて!』って素直に言える人が居てもいいじゃん!

 セフレっていうから、ダサいんだよ!

 最高の理解者って呼べば、カッコ良くね?」


 「カッコつける必要もないよな……
百合が俺の事を『最高の理解者』って、ずっとそんな風に思っていたなら、そう呼ぶ事で愛着も感じるよ……」


 「心は百合さんでいい。
身体は私にちょうだい、晶!」

 「莉緒……?」

 「私の好きな男は、平気で他の女を抱くのよ。

 ご丁寧にキスマークまでつけて、私に戻ってくるの。

 浮気の言い訳をなんて言うと思う?」


 「さぁ………?
想像つかないよ」

 莉緒は俺を真っ直ぐ見て、こう言ったんだ。

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