溺れる恋は藁をも掴む
 寿司をご馳走して、親父の仏壇に線香をあげて、自分のアパートに帰った。


 いろんな出来事が一気に頭を巡り、ひとつひとつ整理したんだ。



 ーー人は変わるーー

 どんなに哀しい過去があろうとも、その現状を受け入れ、そこから這い上がる為、もがきながらも自分の生きる術を探してゆくんだ。


 弱くなった時、助けてくれる人が居なきゃ、
辛いよな……


 百合……

 恨んだことなんてないよ。
 突然の別れは痛すぎた。
 追うに追えなかったから、余計苦しかった。


 今なら思うよ。


 百合が誰の為に生きたいか………
なんだよな!

 百合の選択は間違いじゃない。

 そんな百合だから好きになったんだ。


 百合の幸せを願うよ。
君が何処かで幸せならそれでいい。


 君をずっと忘れない。


 忘れないけど…………


 ーー俺も自分の人生を歩いてゆくよーー



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