溺れる恋は藁をも掴む
 私が先にシャワーを浴びた。

夕食の材料をスーパーで買い物している時、

 『飲み物は何がいい?』って聞かれたから、
カルアミルクが飲みたいと甘えた。


 シャワーを浴びて、誠治さんから貸して貰った、シャツと短パンに着替えた。
男物なので私の体形でも大丈夫。
まるで、スポーツクラブに行くような、ラフスタイル。

 テーブルの上にカルアのリキュールと牛乳、それとコップにマドラーが用意されていた。


 「あっ、もう上がった?
俺もシャワーを浴びて、ビールでも飲もう!
先に飲んでいていいからね。
氷は冷蔵庫からどうぞ」

 チュっと軽いバードキスをして、誠治さんはバスルームに入っていった。


 お言葉に甘えて、コップにカルアリキュールを注ぎ、牛乳で割った。
冷蔵庫を拝借して、氷を入れてマドラーで掻き回す。
クルクルと氷が舞う。
カラカラと心地よい音を立てながら……


 甘くてコーヒー牛乳のような味のカルアミルク。

 飲み口はいいけど、かなりアルコール度数は高いらしい。


 私はビールよりカルアが好き!

 背伸びをしてビールを飲むより、今夜は甘いカルアミルクに酔いたかった。

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