Soldier President
「落ち着けニコライ」

ゆっくりと。

バニングはニコライの手を解く。

「そんなに詰め寄らなくても、きちんと説明する。説明するから…」

バニングは肩に掛けていたバッグを下ろす。

「飯にしよう。昨夜ニューヨークを発ってから、俺達はずっと飲まず食わずなんだ。少し何か食わせてくれ」

「……いいだろう」

バニングに背を向けるニコライ。

「説明は晩餐の後という事にしよう」

「…ま、晩餐と言うほど豪勢でもないがな」

そう言ってバニングがバッグの中から出したのはレーションだった。

いわゆる戦闘糧食。

軍隊において軍事行動中に各兵員に配給される食糧だ。

アメリカ軍のものはMRE(Meal, Ready-to-Eat)と呼ばれ、チリビーンズやビーフシチュー、ポークリブ、スパゲッティミートソース、ラタトゥイユ、ポークソーセージなどのメニューが個包装されたレーションとなっている。

「ま、所詮はレーションだ。味はお察しだがな」

ニコライにビーフシチューのレトルトを渡すヒュー。

「作戦中にボルシチを要求するほど、私も我儘じゃない」

ニコライはそれを受け取った。

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