悲しみの果てに

••どうして


「鈴菜っ、お帰り。」
私は、苳吾さんの背中に引っ付いたまま
「どうして?どうしてきたの?」
「鈴菜が、寂しがってる
と、思ったから。
沙良さんと食事に行ったんだろ
楽しかった?」
と、言われて
「うん、楽しかった。
結さんも沙良も心配してくれて
優しいんだ、二人とも。
でも、式の日に家に居なくても
大丈夫なの?」
「いいさ。俺の一番は鈴菜だから
鈴菜が、悲しかったり
寂しがったりする方が
問題なんだ。
ほら、鈴菜こっちにきて
可愛い、顔みせて。」
「もぅ、可愛くないもん。」
と、言うと
苳吾さんは、回した私の手を取り
自分の方に来させて
抱き締めた。

「ごめんな。鈴菜
   辛いか?苦しいか?」
「辛くないわけじゃない。
苦しくないわけじゃない。
でも、それ以上に
苳吾さんが好きなの。」
と、言うと
顎を持ち上げられて
「ほら、可愛い
     俺の鈴菜!」
と、言って
沢山のキスを
私の顔中にした。

洋服を脱がせようとしたから
「‥お風呂入ってない‥‥」
と、言うと
「じゃ、一緒に」
と、言って
脱衣場に連れていかれた。

そこでも、キスをされ
服を脱がされて
苳吾さんも脱ぎ
一緒にシャワーを浴びた。

苳吾さんが、身体も髪も洗うと
きかないから、洗ってもらった。
胸も丹念に洗い
「‥‥ひゃっ‥‥」
「どうした?
鈴菜っ、洗っているだけだろ?」
と、ニヤケた顔をしながら
苳吾さんは言い
そのまま、全てを洗いながされ
頭もぼぉーっと、
膝は、ガクンとなり
苳吾さんが片腕で支えていた。

髪も身体も洗って貰い
「鈴菜は、湯ぶねに使ってな。」
と、言われた。
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