悲しみの果てに

••鼻の下


翌日、苳吾さんが日本に戻ると
なると、愛菜は大泣きして
大変だった。
「離れないって、言った!」
と、言って
わんわん、泣いていた。

苳吾さんは、愛菜に日本にいる
患者さんの話をして
「愛菜が、パパの所に一日も早く
来てくれるのを待っている。」
と、言った。

父は、寂しそうにしていたが
「実の親には勝てないな。」
と、
私達にも
「早く日本に戻りなさい。」
と、言ってくれた。

私は、
「あのまま一人で、愛菜を生み育てていたら
愛菜を預けて仕事をしたり
病気になっても、一人でみないと
行けなかったりで大変だったと思う。
本当に、お父さんには
感謝しているの
ありがとう、お父さん。」
と、お礼を言った。



苳吾はあまりに愛菜が泣くから、
「愛菜が泣くのが辛いから
玄関まででいいよ。」
と、言った。

「じゃ、鈴菜、待ってる。
愛菜とお父さんを頼むな。」
と、言って
キスをして帰って行った。

それから、10日後には
鈴菜と愛菜は日本へ帰国した。

苳吾さんは、空港に迎えに来てくれて
「パパっ!」
と、走ってくる愛娘に
頬を緩めながら
抱き締めていた。

「うふふっ」
と、鈴菜が笑うと
「なんだよ。」
「だって、あのクールでイケメンな
有沢先生が
鼻のした伸ばしたまま、なんですもん。」
と、笑いながら言うと
「娘だけじゃないぞ。
溺愛している、嫁もいるからな。」
と、言うから
「なっ!」
と、今度は、鈴菜が
真っ赤になっていた。
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