よるのむこうに
10、「What am I to you!?」




天馬が仕事を続けている。
私は感動した。


苦節二年、天馬は仕事をやったりやらなかったり、現場にいってもすぐに喧嘩をして帰ってきたりと仕事が長続きしなかった。

しかし今の天馬は違う。
彰久君への借金があるからだ。

現在の天馬は彰久君のマネジメントに完全服従を強いられ、以前は絶対に受けなかったブランドのオーディションに参加するようになった。
そのうちの大部分はすんなりと合格して細かい仕事をちょこちょこやっていた。
そうなると自然と天馬が家にいる時間は少なくなるわけだけれど、率直にいって今のところ何の支障もない。

彰久君は自分自身もモデルだというだけあって、やはり仕事を見極める目は確かなようで、彰久くんの指示通りのオーディションを受けていると不思議なほど不合格という結果にはならなかった。

天馬がモデルの仕事を嫌がっているのは知っているので、私は雑誌などで天馬を見ても何も言わない。見なかったふりを貫いている。
天馬もこんな仕事をしたとは言わない。モデルとして少しずつ人に知られつつある彼だけれど、家の中では自称パチプロだったころとなんらかわらなかった。
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