よるのむこうに
こんな時間に子どもが集まって何をやっているんだろう。
子どもたちの頭の間から金網の中を覗き込んだ私は言葉を失った。
公園には古びたバスケットゴールと、三人の男。
一人は遠目に見てもわかる。天馬だ。
そしてあとも二人は知らない顔だ。二人は天馬と同じくすさんだ雰囲気をまとっているが、髪をかなり目立つ色に染めていて耳もピアスだらけと天馬よりもかなり派手だ。
蛍光灯にてらされた公園の中で、三人の男は一つのボールを取り合っている。その中の一人、天馬がほとんど一人でボールを持っていて、二人の男はボールに触れることもできない。
ボールを目指して向かってくる相手をひらりとかわし、緩急をつけたドリブルで抜く。やっていることは単純で簡単そうに見えるのに、ボールを追う二人の男はまるでからかわれているかのように追いつけず、翻弄されて服が汗でべったりと体に張り付いている。
天馬はそのままゴール下までドリブルをするのかと思いきや、不意に足を止めて気まぐれにジャンプする。
陽が落ちてオレンジと紫の残る空にきれいな放物線を描いたボールは、まるで吸い寄せられるようにゴールの輪を抜けた。
わっと子どもたちの歓声が上がる。
「ねえ、何をやってるの?」
歓声の合間に小学生くらいの男の子に話しかけると、彼は興奮した様子で返事をした。
「あれ、僕のボールなんだよ!僕たちが先にここで遊んでて、そこにあいつらが来て、ボールをとっちゃって返してくれなくて困ってたら、あのパチンコの兄ちゃんがちょっとこれ持ってろっていって俺らのボールを取り返してくれてるんだ!」
パチンコの兄ちゃん。