雨恋の氷河
決戦


長くて暗い階段を登りきった。



「はぁぁー。やっとついた。」




「しっかし長いなこの階段。」



「月見て?!」



空にでっかい黒い雲が広がっている。
その瞬間大きな雷が鳴り響いた。




「わぁっ?!」




一瞬光が見えた。



「この辺りに落ちたみたいだな……。」





「月っあれ?!」




空を竜が飛び回っている。
あれが光月の言ってた竜……





「様子がおかしいぞ!いちじく早く城の中に!」





「うん!!」





私たちは城の中に避難した。
神様がなんであんなに暴れてるの……??





「早く行こう。」



私たちはあやこのいるてっぺんの部屋を目指した。




城内は大理石の床がシャンデリアによって反射し光っている。





汚れひとつない。
本当にキレイなお城……




「キレイすぎて怖い。」





「いちじく……」





「私が昔魔人に襲われた時もそうだった。キレイだけど裏に何かある気がして。」






「今回は1人じゃないから。」






「月……」






小さなキャンドルが並んでいる廊下を渡りきった奥……
大きなドアがある。
ここか……






「入るぞ。」





「うん」









ドアを開けるとそこには真っ白な世界が広かっていた。



大きな部屋が全部白で統一されている。
すごいキレイな部屋……。



見とれて時間を忘れてしまうくらい。






「あなたたち何をしにきたのかしら??」




「えっ?!」




「あら、いちじくよね?あなたのお兄さんを助けたのは私なのよ。」



「お兄ちゃんを?!」




「えぇ。ずいぶん前にね」





ずいぶん前……??どうゆうこと?




「お兄ちゃんはすぐ帰ってくるって教えてくれたよね?」





「あぁ、そのことか。封印が説かれた今月光からでることはできないはずよ。少なくともあの竜をなんとかしなくちゃね」



「そんな……」




「あなたよね?今年の月光祭の巫女は。」




「そうだけど。」




あやこはいきなり笑い出した。




「何がおかしい?」




「あなたがやったのね。やっぱり」




「理由が分からないよ……。」




「許さない絶対にっ!!」




その瞬間真っ白だった空間が嘘だったかのように真っ黒になった。




「お前は誰だ?!あやこじゃないな?!」





「そんなこと、答えるわけないじゃない」
その女は全身を黒い布でまとっていた。





「月っ!?危ない!」



その女がいきなり月に攻撃してきた。



「いたた……月大丈夫?!」



「いちじくごめんな。こんなことに巻き込んじゃって。」





「私も月の役に立ちたい」





「いちじく……」











「戦わせて」




「あたしこうゆうの嫌いなのよね。」




「きゃーっ!?!?」






炎の矢が私を直撃した。
「いちじくっ?!?!?!」







私は立ち上がることもできない。
「簡単には逃がさないわよ。」





「何が目的だ!?」




その女は私を睨みつけ、



「あんたは月光の巫女なのよ。私のためにちゃんと償ってもらわないと」




「償い……?」






「私の地位を奪った真珠の涙をねっ!」





「ロイヤル・スピードっ」





大きな竜巻が発生した。
私の方に向かってくる……?!




「オーロラ・フリーズっっっ」
月が私の前に氷でできたガードを張った。





「月っ?!よけてっっ!!!!」




炎の魔法……
月は炎が苦手なはず。
このままじゃ……そんなのやだ!





「ウォーター・スプラッシュっっっっっ!!」
多量の水が炎を消し去った。




「いちじくありがとう」



「無事でよかった……」




「痛いか…??」





「大丈夫。だいぶ回復したわ。」





その女はこちらの様子を伺っている。
正面からまともに戦えるわけがない……
どうすればいいの?
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