誠の誓い
「よかったのか?可愛い子だったのに」


「原田さん!困るんです!
俺は、監察方として目立ってはいけないんです!新選組だと、バレたら調査とか
支障がでるじゃないですか!」


「なら、町中で暴れねぇ事だな!
目立ちまくってたぞ?」


「……嘘」


「嘘じゃねぇぞ?
娘らが、格好いいって騒いでた!
ジロジロ見られねぇように、割って入ったんだ!
この羽織みりゃ、逃げるからな!」


「ありがとうございます……」


「だが、困っている人を見捨てらんねぇよな?
気をつけろよ?」


「……はい」





芹沢に、喧嘩っ早いとこ治せって

言われていた事を想いだす




廻りが見えないほど、余裕がないのは




監察方として、駄目だなと


後ろ頭を掻く








数日後










詩乃が新選組を訪ね



手作りのみたらし団子を縁に渡した




「お詩乃さん…
御礼は、いいって言ったのに…」


「私が…
縁様にお逢いしたかったんです!
ご迷惑でしたか?」


「ありがとうございます
皆でいただきます!コレ置いてくるから
待ってて!送ります!」





外出許可を貰い


お詩乃を送る




特に会話もせず歩いている


チラチラと詩乃が見てくることに


どう反応していいか謎で


困った




「また逢えますか?」




顔を赤らめ、そんな事を聞かれ




まさか…




惚れられた?






と気づいたときには、詩乃が潤んだ目で

縁を見つめていた







「あ~ すみません
仕事柄、あまり外に出られないというか
色恋をする気はなくて」


「はい!わかってます!
大変なお仕事なんですよね?」


「へ?」



「この前の原田さんの奥様と私
知り合いで…
原田さんの家でバッタリ会いまして
縁様は、若いのに大変な役を任されていて
断られるぞって!でも!
この出逢いは、運命だと思うのです!!」


「はぁ?」



「では、また!」






サッサといなくなってしまった詩乃に


困惑するしかなかった









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