誠の誓い
5日間の療養で、激痩せした


失った体力を戻す為

無理して起きて、動いて

傷口が開いた


そして、また寝込み



普通に動けるようになるまで

1ヶ月かかった


幹部の前で、言い訳をする前に


土方と2人、庭へ散歩に出た



「縁は、何でも話してくれたから…
まさか…間者だなんて、驚きました」


「俺は、おめぇが女って知って
驚いたがな」


「ははっ… すみません
結局、役に立つどころか、迷惑かけて…」


「充分役に立っているさ
言うんだろ?」


「……そうですね
もし、ひとりでも反対したら
俺を切腹にして下さい」


「脱退でいいぞ」


「いえ… 局中法度…ですから」



土方が悲しく笑う




「山南さんといい…
俺は、こんな目的で作ったんじゃねぇ」


「わかってます
利用して、すみません
ですが……奴ら、迎えに来るとか
拷問は、嫌だし……お願いします」





そして、幹部の集まる部屋へ







「縁は、兄です
私は、妹の由縁です
都合の良い話ですが、兄が
間者だと知りませんでした
皆さんを騙してしまい、すみません」






深く頭を下げた





長い沈黙



土方が口を開く



「縁は、間者として、入隊したのかも
しれねえが、活動はしていない
由縁は、縁が尽忠報国を成し遂げたいと
思っていたと思い、その意志を継ぎたかっただけだ
皆さえ、良ければ
これからも、縁としてここに置きたい」





賛成多数だったが




「俺は、嫌だ…
由縁とは、戦えない
もう、信じられねえ…」



にこりと笑い




「はい…永倉さん
それが、本当だと想います
ありがとうございます」



微笑んだまま、土方を見る



土方が、目をそらし






「切腹を申しつける」



「縁として、慎んでお受け致します」





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