誠の誓い
「新八!?
おめぇ、警護は?」


「え? やべっ!!」



原田から言われて、回りを見れば

すでに、縁はいなかった



慌てて、置屋の方に向かう


前方が、ガヤガヤと賑わっていた



「どうした?」

「喧嘩だよ」



思わぬ足止め食い、喧嘩の仲裁をして



再び、置屋へ向かって走る




「女将!!2人共帰ったか?」

「まだだよ?」



永倉が、置屋を出て会場までの道を戻る


途中、立ち寄りそうな店を見て回る


(いない!!由縁!!どこだ!!!)




ドンッ



「!!!お前、千代里といた……」


「!!!新選組はん!!!
大変や!!千代ちゃんが!!」


泣きじゃくりながらも、鶴里の案内で

細い路地へ


「無事か!?」


壁にもたれて座っている縁の肩を揺する


「……ケホッ」

コクコクと頷く縁に、永倉はホッとした


「千代ちゃん!!!」

「鶴ちゃん、無事?」

「うん!無事や!千代ちゃん!」

「へへっ 何ともないので」


フラッと立ち、着物を叩く



「鶴ちゃん、帰ろか」

「大丈夫なん?怪我してへん?
お医者に看て貰ったら?」

「……平気」



力なく笑い



「永倉さん
すぐそこだから、ここでいいですよ」




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