誠の誓い
縁が屯所に戻り


暑い日が続き、沖田が体調を崩した


「しばらく良かったのに……」


しょんぼりする沖田の横で


「無理は、禁物ですね」


縁が、手拭いを絞り額に乗せた








沖田の代役で、一番隊を引き連れ

巡察をして、解散したときのこと






「千代里?」





男装で、女だと思われたことがないので

驚いた



「君のやりたいことは…こんなことか?」



梅を斬った日の自分を見ているようだった



「人を斬りたいんじゃないですよ」


「え!?あ……そうかい」




同じ勘違いをした事に、笑った

どんなに取り繕っても

この人には、嘘が通じない



「見張られているので、お話出来る所へ
行きませんか?」


「僕の家においで」





医師に、すべてを話した



「恋仲のフリをしよう
君が、ここへ通えるように」





頭の中に永倉がよぎったが

病の事を思い、頷いた





「いいかい?恋仲らしくだよ!?」

「はい」




念入りに打ち合わせをした





近藤の部屋に、土方と伊東も呼んだ


「医師をしております
森本佳二と申します
由縁とは、酒の席で知り合い
馬が合いましてね
おつきあいをしております
今日、新選組の隊士だと知り
驚きました」


「新選組の隊士として、これからも
ここにいたいです
先生と、会うことお許し下さい」


「必要であれば、怪我人や病人の診察に
僕を使ってくれてもいい
由縁、いえ…縁を支えてあげたい
お願いします」



頭を下げる2人に、困る3人は

顔を見合わせた



「どうみても、恋仲じゃねぇだろ」



土方が、ムスッとして言った



「まだ、お互いの気持ちがわかって
数日です
僕は、彼女を大事に考えていますから
これから、お互いにゆっくり仲を深める
つもりです」


「……」


「おめぇは?」


「…私も///ゆっくりですね
恋仲とか、初めてですから!
仕事に支障は、出しませんので!」



「私は、いいと思うわ
女同士で結婚するより賛成よ」


「伊東さん…」


「あら?彼に言ってなかった?」


「聞いてますよ 詩乃さんですよね」


「ええ!そうです!
森本先生 この子、口悪いでしょ?」


「気にしてません」


「そう!決まりね!
私は、お二人を応援します!」


「わぁーった 認める」


「縁を泣かせるようなら、すぐに
別れて貰う!」



「「ありがとうございます」」




その後


幹部が呼ばれ、縁の恋仲が紹介された








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