誠の誓い
翌朝


すっかり元気な縁は、沖田の代理で

永倉と巡察へ





巡察中、腹の傷跡がシクシク痛むのを感じ

縁の表情は、曇った


「どうした?」


「いえ、別に…」




巡察の報告をするため、土方の部屋へ


その頃には、すっかり熱が上がっていた



「ったく!だから、休んでいいって…」


「朝は、何ともなかったんだ!」


ムスッとする縁が、永倉を気にしているのを感じとり


「永倉 縁と話があるから、いいぞ」



永倉を部屋から出す



「巡察中になんかあったのか?」


「傷が痛むんだ……」


(あぁ…永倉に刺された奴か……)






山崎と森本に、傷口を診せる




「別に、見た目なんもないなぁ」

「うん 押さえても平気だしねぇ」




「もしかして、毒のせいかもな
わいの解毒剤効かへんのか…
毒を調べられたらええねんけど…」



「調べてわかるんですか?」


「毒作るときは、必ず解毒剤も作る
万が一の時、自分を守るためや
ちゅーことは、解毒出来る毒しか
使わないっちゅうことやな!!」



森本と縁が、顔を見合わせた




(なら……
心の臓を病ませる毒にも
解毒剤が存在する)







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