彼氏の好きなヒトになる方法


店内を歩きながら、落ち着け落ち着けと自分に言い聞かせる。落ち込んでたらダメだ。明るく明るく!


せっかく俊くんといるのに、楽しめないのは損だ。ごちゃごちゃ考えるのは1人でいるときでいい。


そう決意すると、ささっと目当てのものを買って、俊くんの姿を探した。


2階まである大きな本屋だから、背高い本棚の間をひとつひとつ見て回りながら探すのは大変だ。


ケータイで連絡しようかなと思っていると、文庫本の棚の一角で俊くんを見つけた。



「俊くん」



声をかけると、彼は本棚を見上げていた顔をゆっくりとこちらに向けた。


「おまたせ。何か気になるのあった?」

「いや……背表紙眺めてただけ」


背表紙。タイトルってこと?


「……俊くんって、小説とかよく読む?」

「たまに。中学の頃は、図書館が避難所だったから」

「ひ、避難所?」

「……教室にいると女子に囲まれてたから……図書館は騒ぐの禁止だし。一人で本読んでたら誰も近づいてこないじゃん」


まさかのモテエピソードだった。


さすが神級イケメン。女子から逃げるために図書館に避難するとか、なんか世界が違う。





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