彼氏の好きなヒトになる方法



「あ、サトシ〜」



来た!


建て替えられたばかりの駅の、磨かれた床にばかり向けていた目線を、ゆっくりと上げる。



まず見えたのは、さっぱりとした短髪の好青年。こっちへ向かって、手を上げながら歩いてくる。



たぶんあれがサトシくんだ。



じゃあ、その後ろにいるのがー……。



彼らが近づいてきて、後ろの男の子の姿がはっきりと見えた瞬間、私は見開いた。




「えっ」



うそ。


あの人って……!


触り心地の良さそうなフワッとした黒髪と、顎にかけてのシャープなライン。男の子にしては少し白くて美しい肌。


そして何より、あの、神が顔面偏差値ガン振りで創造したかのような、ガチもんのイケメンは……。



「あのときの」



私が思わず声に出すと、イケメンは少し気まずそうに目をそらした。ええっ。


驚くことに、私の写真を見て会いたいと言ってくれた男の子は、昨日の神級イケメンだったのだ。


ま、マジで?


なんでこんなイケメンが、私なんかに会いたいと思ってくれたわけ?




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