彼氏の好きなヒトになる方法
「そうだったんだー。もお佳菜、なんで言わないの〜?」
キャピキャピしたテンションで、マナミが私の肩を叩く。
そりゃ、今日会うのがあのときのイケメンだってわかってたら言ってたよ!
「じゃあ話は早いねえ。あとはふたりで仲よくなってねん」
そう言って、マナミはこっちへ向かってひらひらと手を振った。え、まさかもうふたりきりにされるの!?
「いや、知り合いって言ってもそんな仲良いワケじゃ」
「だいじょうぶ。佳菜コミュ力あるし、なんとかなるよ」
べつにコミュ力ねえよ!あったらこんなに逃げ出したい気持ちになったりしないよ!
「嫌だ」とか「もうちょっと一緒にいて」とかうだうだ文句を言う私を、マナミはしばらくニコニコしながら「イケるイケる」と言ってなだめていた。
しかし、突然鋭い女豹の目つきになったかと思えば、力強く私の腰をぐっと自分の方へ寄せると、耳もとへフッと息を吹きかけてきた。
びくりとして、思わず黙る。な、何すんだこの女!