彼氏の好きなヒトになる方法


下調べして、私が楽しめそうなもの探して。


鞄の中に入っていたのは、きっと瀬戸先輩からのアドバイスだろう。先輩に聞くの絶対嫌だったはずなのに相談したんだ。


話題を絶やさず話すの苦手なのに、話題を振ってくれたり。


優しく目を細めて、こんなに眩しいもの、愛しいものなんかないって感じで私のこと見て。


なんだかもう、目の前のひとがいじらしくて可愛くて、好きで好きでたまらなくなった。


自分たちの不器用で大切な恋が愛おしくて、涙が出た。




「……本当は、俊くんから言って欲しかったんだけど。もうまどろっこしーから、聞くね」



ぽろぽろ涙を流しながらそばへと歩いていく私を見て、俊くんは焦った顔をした。





< 371 / 441 >

この作品をシェア

pagetop