彼氏の好きなヒトになる方法
下調べして、私が楽しめそうなもの探して。
鞄の中に入っていたのは、きっと瀬戸先輩からのアドバイスだろう。先輩に聞くの絶対嫌だったはずなのに相談したんだ。
話題を絶やさず話すの苦手なのに、話題を振ってくれたり。
優しく目を細めて、こんなに眩しいもの、愛しいものなんかないって感じで私のこと見て。
なんだかもう、目の前のひとがいじらしくて可愛くて、好きで好きでたまらなくなった。
自分たちの不器用で大切な恋が愛おしくて、涙が出た。
「……本当は、俊くんから言って欲しかったんだけど。もうまどろっこしーから、聞くね」
ぽろぽろ涙を流しながらそばへと歩いていく私を見て、俊くんは焦った顔をした。