彼氏の好きなヒトになる方法
それから放課後になって、ドキドキしながら駅に向かった。
駅の建物の壁に寄りかかってケータイを見ているその姿が見えると、一気に気持ちが舞い上がってきた。くあー私の彼氏カッコいい!
少しずつ歩いて行って、彼に近づいていく。
「……しゅ、」
んくん、と声を出そうとして、途中で止まった。
彼の周りを、他校の女子高生たちが囲んだのだ。
げえっと思って、思わず近くの柱に隠れる。いや、隠れてどうすんだ!
お前彼女だろ!堂々といけや!
と、頭の中は自分を叱りまくっているけれど、身体は動かない。
俊くんに『彼女』だって言ってもらったからって、いきなり彼女面できるほど私の神経は図太くないらしかった。