本世界
 「確かに…。鳥だって近づかないしな…。うさぎなんて爺ちゃんの家でしか見たことない。」



 (わあ!今度は男の子!?凄い美少年…。宝石みたいな目をしてる…。)



 「ヘンゼルー!グレーテル!早く戻ってらっしゃい!話したいことがあるの。」



 「はーい、母さん。」



 「はーい、ママー!」



 (あ、昨日のひどい親…。ん?ヘンゼル…グレーテル…。この2人か!)



 ヘンゼルとグレーテルは、走って家へと戻っていった。



 「近くまでいって様子を見るか。」



 昨晩のように、窓の近くへ寄って家の中を覗いた。



 「あのね、さっきね、うさぎさん見たの!」



 「あら、珍しいわね。不思議な事もあるものね。」



 昨晩とはうって変わってヘンゼル達の母は優しい声で話していた。



 (こわいな…。僕の母さんもこんなのだったらって思うとゾッとするな…。)
< 22 / 26 >

この作品をシェア

pagetop