本世界
 拾っていると、ある本に目がいった。

 

 『本』

 

 (ほ、本…。)

 

 本にあまり興味のない僕でも、読んでみたいと思わせる題名だった。

 

 「あの…。」

 

 「あ!すみません。床に落ちたのって、この本で最後ですか?」

 

 「はい…。」

 

 「はい、どうぞ。すみません、ぼーっとしてて。」

 

 本を渡す。

 

 「あの…!よかったら、この本読みますか?気になられてたようなので。」
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