背伸びして、キス


「一条さん、ずるいなぁ」

――なにが

「私の嬉しい言葉ばっかくれるんだもん」



真剣に考えてくれてるんだってすごく嬉しい。
私ばっかりがこんなにも嬉しくて、幸せで。


――ふぁ・・・ばっかって、なんか言ったか、俺

「いろいろ・・・、一条さん、眠い?」

――ん?いや、大丈夫だ



嘘。
さっき欠伸したくせに。
声だって眠そう。



「切ろうか?」

――ん・・・。一華の声、落ち着くからもうちょっと・・・

「え・・・」



ほ、本気で言ってるのかな。
寝ぼけてる?
眠いからか、声がいつになく色っぽい・・・。



「い、一条さん、私の事一華って呼んでくれるようになったんですね」

――ん?・・・ああ、いやか?

「いやなわけない!」



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