背伸びして、キス


「やるじゃん」

「も、もう、涼子ちゃん・・・。恥ずかしいよ・・・」

「すごくかっこよかったよ、一華」

「私・・・?」

「あんな風に、大勢の前で好きな人ですって宣言できるなんて思わなかった」

「・・・うん。私も」



自分が変われた気がした。
あんな風に、言ってもいいんだって。
受け入れてくれる人もいる。

私の声をちゃんと聞いてくれる。




「チアも、頑張らないとね。可愛いところ見せなきゃね」

「・・・うん」



体育祭は、その後も順調に進んでいった。
私も、応援を頑張ったり、その時を精一杯に楽しめた。


< 216 / 351 >

この作品をシェア

pagetop