背伸びして、キス
シュンと肩を落とし、口をつぐんだ。
鞄の中からハンカチをいれた袋を取り出し一条さんに差し出す。
「・・・これ、ありがとうございました」
一条さんは静かにそれを受け取ると、小さく息を吐いた。
「カフェに行くだけだぞ」
「え・・・」
「付き合ってやるって言ってんだよ。わかったらさっさと行く」
気だるそうな雰囲気でそう言うと、一条さんは歩き出す。
なにも買わないままコンビニを後にすると乗ってきた車に乗り込んだ。
えっと、これ、乗っていいってこと?
だよね・・・?
「置いてくぞ」
「は、はい!」
戸惑っていると一度締めたドアを開けそう言った。
私は慌てて回り込むと助手席に乗り込んだ。