背伸びして、キス
「24日、シフト入ってないんだ」
「はい」
「え、何。仲直りしたわけ?」
バイトの日。
お客さんが落ち着いた時、シフト表を見ながら時東さんが呟く。
ぎろっと睨みつけ私は「ケンカしてません」と言い返した。
「でも、時東さんだって7時までじゃないですか」
「んー、まぁ、そうだね。俺の事放っておかない女の子たちからのお誘いがあって」
「・・・へえ」
ニコニコと言ってのける時東さんの、チャライ発言に引く。
じとっとした視線を時東さんは気にも留めずにシフト表を棚に戻すと一つ伸びをする。
「俺にとっては、誰と過ごしても一緒だしね」
「なにその発言、ひどすぎませんか?」
「だって、俺が気になってるのは、一華ちゃんだし?」
「またそれですか。嘘っぽいんですよ」
「ひどいなぁ、本気なのに」
ひらひらと軽く受け流していく様が嘘っぽいんだとなんでわからないんだろう。
誰と過ごしても一緒、か。
でも、言い寄ってくるからってその子と過ごすのって、楽しいのかな。
自分に気持ちはないのに。
友だちとしてってことかな。