背伸びして、キス
――ごめんなさい、・・・私、やっぱり
――うん。すぐにどうこうって思ってるわけじゃない。でも、俺が本気だってことは、覚えててほしい。俺、待てるから。
冗談で返せなくて。
どうして私なんだとか、いつから本気だったのか、とか。
いろんなことがグルグルしながら、家の近くまで送ってもらった。
今日、一人でどん底まで落ちなくてすんだのは紛れもなく時東さんのおかげで。
それはすごく感謝してる。
でも。
だからって、時東さんの事を好きになるとか、やっぱり簡単には切り替えられない。
私が好きなのは、やっぱりどうしたって洋介さんで。
まだ、信じたいって気持ちがあるから。