背伸びして、キス


「うわ、圧巻!予想以上にすごいな」

「うん・・・」



駅ってあまり来ないから知らなかった。
いうだけあって、本当にすごいイルミネーションだった。


あちこちで、カップルたちが並んでイルミネーションを見ている。
それを横目に見ながらチクチクと胸が痛んだ。




「一華ちゃん、あっちも見てみよう」

「えっ」




自然と引かれた手。
振り払うのも、不自然な気がして。


きっと、気落ちしてる私を励まそうとして明るくしてくれてるのに。




「ここから見ると、全体的に見渡せて感動するよ」

「ほんとですね。すごく綺麗」




ただ素直に、そう思った。




「ねぇ、一華ちゃん」

「はい」

「本気でさ、俺にしない?」




見上げた時東さんの表情はいつものおちゃらけた笑顔じゃなくて。
真剣な、まっすぐな瞳だった。





< 286 / 351 >

この作品をシェア

pagetop