背伸びして、キス


「どうして、ここに」

「槙原さんが、教えてくれたの」

「槙原・・・?あいつと会ったのか」



困惑気味の洋介さん。
そりゃそうだよね。

仕事で疲れて帰ってきて、そこに別れた彼女が待ってるんだもん。
連絡も入れづらくて、なにも言ってなかったし・・・。


やっぱ、迷惑だったよね・・・。




考えなしだった行動に気づいて私は俯いた。




「ちょっと、綺麗とは言えないけど、入るか?こんなところで立ち話も迷惑になるし」

「・・・いいの?」

「追い返すわけないだろ」



眉を下げ笑う顔が、少し疲れている様だった。




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