わたくし、愛しの王太子様に嫁ぎますっ!
翌朝。
リリアンヌは、早朝出発する二人を見送りに外に出た。
馬のそばで準備をする二人のまわりに、マックをはじめ皆が集まっている。
リリアンヌの姿を見つけたメリーが駆け寄り「まだお休みになっていてください」と眉を下げて恐縮するが、「気にしないで。お見送りさせて」と言って優しく微笑んだ。
「じゃあ、トーマス。しっかり頼むぞ」
「はい。マック隊長、お任せください」
トーマスはマックからお金が入った巾着袋を預かり、しっかりと腰に結わえた。
反物と赤色ドレスの入った小籠を馬の背に結わえると、二人の乗る場所は極々狭くなった。
そんな様子を見たハンナがにっこり笑い、メリーに何やら耳打ちをしている。
それを聞き終わったメリーの顔が、ボッ!と音がするように真っ赤に染まった。
そんな彼女を、トーマスが手招き付きで呼ぶ。
「メリー、こっちに来て。ちょっと狭いけどいいかな?」
「は、はいっ」
真っ赤になって緊張した様子なのを見て、トーマスがクスッと笑う。
その柔らかく甘い笑顔で、ますますメリーはカチンコチンに固まってしまった。
「大丈夫だよ。取って食いはしないから」
「そ、そんなことは、思っていません。あの、馬は初めてなので・・・よろしくお願いします・・・!」
「OK、じゃあ乗せるから。いいかい?じっとしてて」