星色のキャンディー
陽くん、怒ってますか?


麻穂が一番好きなキャンディー。

小さい頃、陽くんがくれたんだ。

それは魔法みたいで、泣き虫だった麻穂を一瞬で泣き止ませちゃうんだよ。


今も、これからも、ずっとずっと大好きな味。




「おいひぃ……んー……」

「麻穂ちゃーん?」


なんだか……いいにおいがする。

おいしそう……。


「ふあ!?」


急に息が苦しくなって目を開けると、見覚えのある景色。

そして、いいにおい。

「麻穂ちゃんやっと起きた。ご飯できたよ?」


って……あれ?

「麻穂、キャンディー舐めてたのに」

「なにそれ、夢? おいしいとか言ってたけど」


ようやくさっきまでのものが夢だったと気づいた。


「鼻いたい……」

鼻がヒリヒリする。なんでだろう?

「ごめん、さっき私がつまんだ」

そうわざとらしく謝るこの人は、石塚 唯梨(いしづか ゆいり)。

「飯まだ?」

そしてボサボサの頭で出てきたこの人が、石塚 陽輝(いしづか はるき)。

唯ちゃんは陽くんのお姉ちゃんで、ここは陽くんの家。


陽くんの家は共働きで家事とかは全部唯ちゃんの仕事だから、今は麻穂が手伝ってる。

いつもはそのまま陽くんの家でご飯食べることが多いんだけどね。


逆に、唯ちゃんが『せっかく手伝ってくれてるんだからご飯ぐらい家で食べてってよ!』って言ってくれたんだ。


家はお隣さんだし麻穂の部屋の窓開けたらすぐ目の前は陽くんの部屋。


だから、どっちにいてもそんなに変わらないかな。

< 1 / 1 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

キミと青空。 ~私たちの青春を~

総文字数/38,234

青春・友情67ページ

表紙を見る
夏の日の想い出

総文字数/8,692

青春・友情16ページ

表紙を見る
未来からのメッセージ

総文字数/2,398

青春・友情4ページ

表紙を見る

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop