Where it is stuckー滞っている場所ー
「相田さんのこと、あんな人って言ってたね・・・」

秋鹿は、おばさんの贅肉がゆれる風景が、つぼにはまったらしく、笑いをかみ殺しながら言った。

「うん、相田さん、何があったんだろうね」

と、蕨は言うと、笑いをこらえている秋鹿を横目に見て、

「鳳、笑って良いよ」

と、やさしくつぶやいた。

秋鹿は、蕨のその言葉を言い終わる前に、大声で笑ってしまった。

眼鏡屋商店街に、秋鹿の笑い声が響いた。

前を歩くおばさんが、少し振り向いた気がして、蕨は気が気でない様子だ


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