夫の教えるA~Z
「Noooooon!
大丈夫、ニッポンは法治国家です。
“人拐い”はさほどたくさんおりませんから‼」
「………」

 
彼はジーっと私を睨んだまま瞬き一つすらしない。
私は、無駄に強い目力に対抗すべく、大きく瞳を見開いた。
 

「……分かった、よお~く分かりましたっ!2度とあんなコトは致しません。
昨日の『お仕置き』でもう、コリゴリですから!」

と、彼は怪訝そうな顔をした。

「お仕置きぃ?何言ってんのお前、そんなシュミあんの?」

「な……」

「俺はそんなコト、一度だってしたコトはないぞ?
夢でもみたんじゃないか、全く……」
 
「あ、あのね、貴方。よくもヌケヌケと…だいたい、貴方だって女の子とイチャついてたじゃ……ってコラ!」
 
言い終わらないかのうちに、彼はまた私をギュッと抱いた。

「まあ…もういいや」

汗の引いた素肌同士が柔らかに触れる。

「……都合が悪くなったからって…いくら私でも、誤魔化されませんよ?」

ジトっと睨み見上げたのに、彼は愛しげに見下ろした。
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