私たち暴走族と名乗ってもいいですか?(下)

「…ッキミ!傷害罪の現行犯で…」

「ッやめて!彼は、私たちを助けてくれた男の子です!!」

 冷たい、鉄の輪を出しながら男の子に向かっていく警察官の前に慌てて飛び出して両手を広げて行く手を塞ぐ。

 警察官は驚いた顔を浮かべたけど、しかしと渋る。

 確かにこの場合、男の子が悪いのかもしれない。

 だけど、たとえやり過ぎだったとしても、助けてくれた男の子が警察に捕まるのを黙って見ていられなかったんだ。

「…俺からも、お願いします。こいつは、俺らを助けるために自分を盾にしてそこで倒れてる4人を止めてくれたんです。お願いします。見逃してください」

 瞬も隣に来て頭を下げる。警察官はますます渋った顔を見せる。

「巡査長!この少年たち、薬物らしきものを」

「何!?」

 もう1人の警察官が倒れてる男の人たちのポケットから白い粉を出す。

 それを見た警察官の目は見開かれた。

 警察官2人はどこかに連絡を取って、男の人たちの他の持ち物を調べてるみたいだ。

 2人の視線は、完全に私たちから外れてる。
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