私たち暴走族と名乗ってもいいですか?(下)

 それから、瞬は1週間後の推薦入試で一足早く紅蘭高校への進学が決まる。

 後は私も頑張らなきゃ。

 受験が終わった瞬も塾に付き合ってくれて、2人で勉強しながら一般入試まであと1か月を過ぎようとしていた頃だった。

 商店街にあるお父さんが店主の八百屋のお店の裏にある居住スペースで瞬に学校でやったことを教えてもらいながら勉強してる時だった。

「秋奈!ちょっと来い!!」

「え?今…」

「いいから早く来い!!」

 血相を変えたお父さんが飛び込んできて問答無用で外に連れ出される。

 瞬もついて来てくれて、お父さんに引きずられるままに商店街のメイン通りに顔を出す。

「おい、しっかりしろ!」

「目開けとけ」

「なんで救急車呼んだらダメなんだよ」

 商店街の人たちに抱えられているのは1人の男の子。

 ボロボロの血まみれで、どう見たって救急車を呼んだ方がいいのにそれを拒んだらしい。

 思わず目を見張ったけど、男の子が来てる服に見覚えがあって体が固まった。

 だって、それはあの時、夏樹くんにあげたはずの春ちゃんの服。

 髪の毛が少し伸びているけど、あの時のまんまのような恰好だ。
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