夢の続きは隣の部屋で…

拓登の真実

着いたのは幼稚園のすぐ裏手にある公園。
そんなに広くはないが、子どもがあそぶには十分な広さがある。

「わっ!公園なつかしい~!!あんま変わってないね」

平日の昼間だからだろうか、遊んでいる子どもの姿はなく、公園の中央にシンボルとして立っている桜の木は、1か月ほど前にさっさと花びらを散らせて緑の葉を茂らせ、風に揺られていた。

「桜の木、あいかわらず元気そう」


思い出す、拓登と過ごした淡く楽しい時間。


「あそこ、座ろうぜ」

拓登はそういうと、桜の木の下に置かれたベンチへと向かう。

「…ぁ、、///うん」

あのベンチ1つにも、当然のように拓登との思い出がある。

乃里花は拓登の隣に座ると、当時を思い出して脈拍数が急上昇する。



そう、このベンチでの拓登との思い出はー


「…ここで、俺たち結婚の約束したな」

「そう、けっこ…って///えぇっ!?」


拓登から発せられたまさかの一言。

乃里花は思わずベンチから立ち上がり、目をぱちくりさせながら拓登の顔を見つめる。
その言葉を一瞬で理解できるほどの処理能力は当然ないのだ。


「忘れてねーよ、お前のこと、全部」

拓登も立ち上がると、優しく乃里花の頭をぽんぽんと撫でる。
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