ぼっちな彼女と色魔な幽霊

「あの頃、楽しかったな。みんな仲良くてさ。わたしも二嶋に告る前だったし」

自虐的に言って笑った。

「……そういえば、二嶋くんどうなったのかな?」

朝、挨拶して昨日ごめんね?楽しかった?なんてわたしに聞いてくれたけどさすがに花愛先輩のことはわたしから聞けなかった。

告白しに行ったなんて嘘みたいな感じがするくらい普通だったのもあるけど。そこまで踏み込んで聞いてはいけないというのはそういう態度からわかる。

「それはね、あたしも気にはなってんだけど、知らない」

「そっかー」

付き合っちゃったらそれはそれですごく傷つくのに、背中を押した才伽ちゃんの覚悟って改めて思う。

凄い。

わたしだったら、そんなの出来る気がしない。

「そういう話もともとしたことなかったし。秀一ならたぶん知ってるだろうけどね。
まあ付き合おうが付き合わないが、あたしにはカンケーないから訊かないけど」

笑いながら、わたしは、ふとある可能性に気付いた。
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