ぼっちな彼女と色魔な幽霊





休み時間。美術室の机に向かいあわせて座っていた才伽ちゃんが「聴く?」と手渡してきたMP3プレイヤー。

イヤホンを耳に入れると、カラオケで遠矢くんが歌っていた曲が流れだす。

聴いたことないといったら、今度聴かせてくれると約束していたんだ。

ヨウも口ずさんでいたっけな。

「これ聴くと卒業式思い出す」

「卒業式?」

「うん。今年の2月くらいにリリースされた曲なんだけど歌詞がさ、ガチで卒業とリンクする感じなの。卒業前、よく聴いてたなぁ」

「あっ、最近の曲なんだ」

才伽ちゃんは頷く。
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