ぼっちな彼女と色魔な幽霊

「言ってなかったこと?」

「俺、自分の身体にもう会ってる」

「……」

「……」

「はああああっ? どういうこと? なんで言ってくれないの?なんで?」と、ヨウに詰め寄った。

「悪い。でも昨日言おうと思ったら意識なくなってさ」

そのまましゃがんで、聞く。

「い……いつ?」

「映画を観に行った帰り」

「ず……随分前じゃない? なんで?」

「あのとき俺のこと見える女、いただろ?」

「う……うん」

「見失ったって言ったの嘘で、ちゃんと後を付けて行けたんだ。
その着いた先が病院でさ。
声かけようかと思ったんだけど、少し様子を見てそのまま着いて行ったんだ。
そしたら、病室のベッドで俺が寝てた」

「えっ?じゃあその子は?」
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