ぼっちな彼女と色魔な幽霊

「あ。わたしも好き」

「面白いよね。あれは全部読んだ」

「……じゃあ、漫画がいいんじゃないのかな?」

「えっ?」

「おすすめの本。
よく考えたら図書室に人が集まる為に広報誌ってだすんだもんね。
もしかしたら漫画しか読まない人もいるだろうし、図書室で漫画を借りれることがわかんない人もいるかもしれない。
色んなジャンルを紹介して図書室のことを知ってもらうのって、大切なことだよね?」

二嶋くんは目を丸くした。

はっ……。
喋りすぎたかな?本のことだからってつい!

「なんかさ、ひな子ちゃんってしっかりしてるね」

「えっ?」

ぶっとヨウの吹き出す声がしたが、とりあえずシカトする。

「俺、なんも考えてなかったな」

「い……いや、わかんないけど広報の目的ってそういうことなのかなーと思ったことを言っただけで」

「ううん。なんか参考になった気がする。ありがと。なんか図書室イコールぶ厚い小説を読むみたいなイメージあったから。そういうの紹介しなきゃダメだと思いこんでた」

「確かに小説のほうが多いもんね。
でも漫画も図書室に置いていいような作品もっとあるから、増やしてほしいなって思うなぁ。
あっ、もしかしたら漫画から図書室通いが始まって、それから小説を読み始める人もいたりするかもしれないよね?」

……あ。またしゃべりすぎた。

「ごめん。わたし声大きかったね」

二嶋くんは、首を横に振ると、「時間あったら図書準備室行かない?」と、誘った。
< 75 / 333 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop