ぼっちな彼女と色魔な幽霊
「あ。わたしも好き」
「面白いよね。あれは全部読んだ」
「……じゃあ、漫画がいいんじゃないのかな?」
「えっ?」
「おすすめの本。
よく考えたら図書室に人が集まる為に広報誌ってだすんだもんね。
もしかしたら漫画しか読まない人もいるだろうし、図書室で漫画を借りれることがわかんない人もいるかもしれない。
色んなジャンルを紹介して図書室のことを知ってもらうのって、大切なことだよね?」
二嶋くんは目を丸くした。
はっ……。
喋りすぎたかな?本のことだからってつい!
「なんかさ、ひな子ちゃんってしっかりしてるね」
「えっ?」
ぶっとヨウの吹き出す声がしたが、とりあえずシカトする。
「俺、なんも考えてなかったな」
「い……いや、わかんないけど広報の目的ってそういうことなのかなーと思ったことを言っただけで」
「ううん。なんか参考になった気がする。ありがと。なんか図書室イコールぶ厚い小説を読むみたいなイメージあったから。そういうの紹介しなきゃダメだと思いこんでた」
「確かに小説のほうが多いもんね。
でも漫画も図書室に置いていいような作品もっとあるから、増やしてほしいなって思うなぁ。
あっ、もしかしたら漫画から図書室通いが始まって、それから小説を読み始める人もいたりするかもしれないよね?」
……あ。またしゃべりすぎた。
「ごめん。わたし声大きかったね」
二嶋くんは、首を横に振ると、「時間あったら図書準備室行かない?」と、誘った。