ぼっちな彼女と色魔な幽霊

頭が真っ白になって、勢いでヨウを跳ね飛ばしていた。

「な……なにすんのよ?」

「機嫌直してもらおうかと思ってさ」

「なんでヨウのキスで機嫌直るのよ!逆だから、逆!怒り収まらないし!……っていうかこれ……わたし……」

「なにお前、ファーストキスなの?」

その質問に固まってしまった。

「……図星か」

「うるさい!この年でキスしてるJKはリア充だけだよ。バカ!返せ!わたしのファーストキス……初接吻……初節句…初日の出……初……」

「そこまで狂うなよ、バカ。すげーむかつく」

そう言うと、ヨウは、もう一度唇を塞いだ。

「んっ……」

さっきとは違う大人のキスで、身体は固まってしまう。

引き寄せられた頭から手が離れると、優しく抱きしめながらキスをする。

触れる手は冷たいのに、なぜか唇は熱く感じた。
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