ファインダー越しの瀬川くん
「よし、バスケ部の奴らに見つかる前に逃げよう!」
そう言うやいなや、瀬川は山内の手を取って走り出した。
「あっ、こら瀬川置いていくなー!」
後ろから追いかけてくる声と足音を聞きながら、瀬川に手を引かれるままに廊下を駆け抜け校舎を出る。
ついこの間まであんなに寒々しかった風が、今ではほんのりと温かい。
「せ、瀬川くん……いいの?バスケ部」
おずおずとそう切り出すと、顔だけでこちらを振り返った瀬川が笑顔で大きく頷いた。
「今はバスケより、山内さんだから!みんなでコンクールのお祝いするって、約束したでしょ」
コンクールでの受賞を、誰よりも喜んでくれたのは瀬川だった。
その時の笑顔を思い出すと、今でも自然と頬が緩む。
「おいこら、瀬川ー!」
「無駄に足速いんだから……このスポーツバカ!!」
「ちょ、まっ…………お前ら全員速いわ!」
振り返った瀬川が、駆けてくる三人の姿を見て楽しそうに笑う。
「一番遅かった奴が、みんなの分おごりな!さて、ちょっとスピード上げるよ、山内さん」
「……うん!」
それは、暖かくて優しい……春の始まり。
そう言うやいなや、瀬川は山内の手を取って走り出した。
「あっ、こら瀬川置いていくなー!」
後ろから追いかけてくる声と足音を聞きながら、瀬川に手を引かれるままに廊下を駆け抜け校舎を出る。
ついこの間まであんなに寒々しかった風が、今ではほんのりと温かい。
「せ、瀬川くん……いいの?バスケ部」
おずおずとそう切り出すと、顔だけでこちらを振り返った瀬川が笑顔で大きく頷いた。
「今はバスケより、山内さんだから!みんなでコンクールのお祝いするって、約束したでしょ」
コンクールでの受賞を、誰よりも喜んでくれたのは瀬川だった。
その時の笑顔を思い出すと、今でも自然と頬が緩む。
「おいこら、瀬川ー!」
「無駄に足速いんだから……このスポーツバカ!!」
「ちょ、まっ…………お前ら全員速いわ!」
振り返った瀬川が、駆けてくる三人の姿を見て楽しそうに笑う。
「一番遅かった奴が、みんなの分おごりな!さて、ちょっとスピード上げるよ、山内さん」
「……うん!」
それは、暖かくて優しい……春の始まり。


